武川日本語

N3過去問から見えるパターン【第1回】漢字読み

2026年7月14日· 約3分

2010年ねん7月がつから2025年ねん12月がつまでの本ほん試験しけん30回分かいぶんを集計しゅうけいしました。出題しゅつだいの型かたはきわめて安定あんていしていて、対策たいさくの優先順位ゆうせんじゅんいがはっきり見みえてきます。このシリーズでは、セクションごとに「構成こうせい → 狙ねらわれる罠わな → 頻出ひんしゅつリスト → ひとことまとめ」の順じゅんで整理せいりします。第だい1回かいは最初さいしょのセクション、漢字かんじ読よみです。

読よむだけでは身みにつかないのがこのセクションです。記事きじの途中とちゅうに実際じっさいの形式けいしきの練習問題れんしゅうもんだいを埋うめ込こんであります。規則きそくを読よんだら、その場ばで解といてみてください。

構成こうせい:毎回まいかい8題だい、主戦場しゅせんじょうは「漢字かんじ二に字じの熟語じゅくご」

毎回まいかいおよそ8題だい、30回分かいぶんの累計るいけいで239題だい。うち漢字かんじ二に字じの熟語じゅくごが143題だい(60%)——ここが主戦場しゅせんじょうです。訓読くんよみの動詞どうし・形容詞けいようしなど、かな混まじりの語ごが70題だい(29%)で安定あんていした「次点じてんの出題しゅつだい枠わく」。残のこり26題だいは「岩いわ」「件けん」のような一いち字じの語ごなどです。

狙ねらわれる「音おとの罠わな」は4種類しゅるい

出題者しゅつだいしゃが見みているのは「知しっているか」ではなく「正確せいかくに読よめるか」。全ぜん239題だいのほぼ半分はんぶん(112題だい)で、選択肢せんたくしに「音おとの罠わな」が仕掛しかけられています。多おおい順じゅんに4種類しゅるい。

① 濁音だくおん・清音せいおん(68題だい):努力どりょく=どりょく(×とりょく)、種類しゅるい=しゅるい(×じゅるい)

② 長音ちょうおんの有無うむ(54題だい):西洋せいよう=せいよう(×せよう)、郵便ゆうびん=ゆうびん(×ゆびん)、到着とうちゃく=とうちゃく(×とちゃく)

③ 拗音ようおん きゅ・ちょ など(8題だい):出張しゅっちょう=しゅっちょう(×しゅっちゅう)、呼吸こきゅう=こきゅう(×こきょう)

④ 促音そくおん っ(4題だい):付つけるべき所ところで落おとす——発見はっけん=はっけん(×はつけん);付つけてはいけない所ところに足たす——税金ぜいきん=ぜいきん(×ぜっきん)

残のこりの半分はんぶん(127題だい)は、音おとの変化へんかではなく別べつの読よみ・別べつの語ごで釣つるタイプです。深ふかい(×つよい・×ひろい)のように意味いみの近ちかい語ごを並ならべるもの、郵便ゆうびん(×ゆうべん)のように漢字かんじの別べつの読よみを使つかうもの——こちらは音おとの精度せいどではなく、語彙力ごいりょくそのものが問とわれます。

一いち題だいで複数ふくすうの罠わなを同時どうじに問とう

罠わなを重かさねた選択肢せんたくしを持もつ問題もんだいも20題だい(8%)あります。代表だいひょう例れいが「出張しゅっちょう」——選択肢せんたくしは しゅちゅう/しゅちょう/しゅっちゅう/しゅっちょう。促音そくおんと拗音ようおんを同時どうじに問とう、この形式けいしきでいちばん凝こった作つくりです。読よんで分わかったつもりでも、選択肢せんたくしを前まえにすると迷まよう。頻出ひんしゅつ語ごで作つくった15題だいで、実際じっさいにどうぞ:

頻出ひんしゅつリスト(15年間ねんかんの実測じっそく)

3回かい以上いじょう出でた語ご(ほぼ必修ひっしゅう):努力どりょく・過去かこ・留守るす・呼吸こきゅう・疑うたがう

2回かい出でた語ご:到着とうちゃく・情報じょうほう・卒業そつぎょう・横断おうだん・改札かいさつ・自然しぜん・計算けいさん・血圧けつあつ・調査ちょうさ・郵便ゆうびん・通知つうち・選手せんしゅ・主要しゅよう・他人たにん・得意とくい・件けん・岩いわ・横よこ・裏うら・丸まるい・苦くるしい・包つつむ・困こまる・生はえる・返かえす

まとめ

- 主戦場しゅせんじょうは漢字かんじ二に字じの熟語じゅくご。まず頻出ひんしゅつリストの語ごから。

- 音おとの罠わなの大物おおものは濁音だくおんと長音ちょうおん。拗音ようおん・促音そくおんは数すうこそ少すくないが、重かさねて出でる(=出張しゅっちょう型がた)。

- 罠わなの場所ばしょを知しっていれば消けせるのは半分はんぶん。残のこり半分はんぶんは別べつの読よみ・別べつの語ごで釣つるタイプ——最後さいごは語彙力ごいりょくの勝負しょうぶです。